われ走りおえてカニとたわむる
夕方、走り終え家に戻ると、庭に続くスロープで、カニがハサミを振りまわしていました。
あ、ツガニだ。 モクズガニ (ツガニ)
甲羅の幅は8センチほど、中型のメス。
その周りには、栗のイガがごろごろと転がっています。
「でもなぜ、こんなところに・・・いるのだろう?」
ここに住んで10年ほどになるけど、この場所で見るのは初めて。
彼らが生きる川から我が家まで150メーターは離れているし、すぐ近くに谷もないのですが。
「イタドリの花が咲くと、ツガニが下る」と、このあたりでは言います。
支流の谷の奥で3~4年かけて成長したツガニは、
(イタドリの花が咲く)秋になると産卵のために本流を下り海に向かう、その途中で道に迷ったのカニ。
「はぐれガニ、道しるべもなき草むらに一匹」編なのだ。
「それっ!」
汗にまみれたままダッシュで部屋に戻った僕は、
デジカメ、バケツ、木の棒をつかんで現場に戻るが、すでにカニの姿はナッシング。
「む、逃げられたカニ・・・」
しかし、よく目をこらして草むらを覗くと草におおわれた甲羅が見えました。
うーん、「飛んで火にいる夏の虫」ならぬ「迷って鍋にいる秋のカニ」。
鍋、それもいいけど、もしかしたらツガニの恩返しがあるかもしれん(ないか・・・)。
ニカニカしながら、暫くカニと棒切れでたわむれたあと、
バケツにカニを入れ、水が流れる用水路まで行き、そこでリリース。よい旅を!
でも、カニってどういう恩返しをしてくれるんだろう・・・。
ふすまの隙間からそっと覗くと、ツガニがハサミの根元の毛を抜いて、布を織っている。
うーん、あまり想像したくないですね。
秋だなぁ・・・
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